タブレット端末を使う家庭学習が一般的になって、多くの小学生・中学生・高校生がタブレットの特性を学びに活用した勉強を自然に取り入れています。
実際にこれからは多くの学校でタブレット端末を使う授業や学習が広がっていくことが予想できますし、教科書の電子教科書化、電子黒板と連動したタブレット学習など教育のICT化はさらに加速していくでしょう。
家庭学習向けのタブレット教材もここ数年でとても多くなりました。教材ごとに随時システムや内容をアップデートしながら仕様を変更したり、理解ができる・学力が伸びるためにタブレットの機能・システムなどを生かした勉強をすることができます。
加速するデジタル学習
これから先の教育にタブレット端末をはじめとするデジタル学習は欠かすことができないもの。
学校では1人1台のタブレット端末の導入を推進していて、先行的に全児童・生徒にタブレット端末を配布している自治体もあります。
まだまだ環境整備などの面も含めて課題はありますが、近い将来学校の授業ではタブレット端末を利用しながら学ぶスタイルが一般的になっていくのではないでしょうか。
もちろんすべての教科・すべての授業形態でタブレット端末を活用するのではなく、よりデジタルのストロングポイントを活かすことができる授業では積極活用し、従来通りの手書き学習や黒板を活用した授業も併用しながら実施されていくこととなるでしょう。
多様な授業パターンが考えられますが、先生のスキルや学習アプローチによって差が出てしまうことがない教育への活用を期待していきたいです。
2018年度のタブレット型教材のシステムや内容などを踏まえて、タブレット教材の動向を少し考えてみたいと思います。
動向.1 ビッグデータの活用
タブレットでの学習情報を蓄積して「ビックデータ」として膨大な学習情報を活用していく取り組みが始まっています。
例えば1人ひとりが学習をした時間・学習内容・解答状況・学習動線など、タブレット教材を利用して学んだ情報をデータとして蓄積解析することで、一人ひとりに合わせた最適な学びを提供することができるようになります。
「ビックデータ」を活用することでどのような学習が効果があるのか、つまづきやすいポイントはどこなのかなどの把握・発見をすることができるだけでなく、効果的な学習法や理解を促す学習動線なども導き出すことができるのです。
個々の理解度解析状況によるアプローチはもちろんですが、「ビッグデータ」を活用してできている人の取り組み状況なども含めた最適な学びを提供していくことができるようになります。
こういった取り組みは始まったばかりだと思いますが、例えば「スマイルゼミ小学生コース」では以前から全国の学習データの解析を教材運営に組み込んでいますし、「進研ゼミ」を運営しているベネッセコーポレーションでも積極的にビッグデータを活用した教育研究が進んでいます。
これから先はこういった学習データを活用した個々それぞれのスタンスに合わせた学びが求められる時代になっていくのではないでしょうか。
動向.2 広がる学習スタイル
2018年度のタブレット教材の幅がさらに広がり、年代や個人、目標・目的などそれぞれに合わせた学びができるようになっています。
例えば「スタディサプリ」では予備校・学習塾などから精鋭の講師陣を招いて質の高い「講義動画」を受講することができ、実際に塾に行かなくても単元ごとに有名・人気講師の授業を繰り返し受けることが可能。
通信教育教材においては、テキスト教材と併用をする学習スタイル、学習専用のタブレット端末で全ての勉強を端末だけで進めていくスタイル、添削指導などデジタル×人の勉強ができるスタイルなど、教材ごとに目指している学習コンセプトに応じた学びをすることができます。
無学年制のタブレット教材では学年の区切りではなく実力に合わせた学びをすることができ、スモールステップ教材では単元を細かく区切って段階的なレベルアップをすることができるシステムなど、教材により学習スタイルがとても幅広くなってきています。
総合的な学びをしたいのであれば通信教育系、ポイントを絞った対策や塾や複数教材の併用であれば学習教材系がいいと思いますが、どちらにせよ自分の学習スタイルに合わせた学びに広く対応ができるようになってきました。
動向.3 新学習指導要領に向けた教育
2020年度に小学校の学習指導要領が改訂されることになっていて、小学校における英語の教科化やプログラミング学習のスタート、大学センター試験に代わる「大学入学共通テスト」実施、その後2021年度には中学校、2022年度には高校で全面的に新学習指導要領が実施されていく計画になっています。
今回改訂される学習指導要領では、従来の知識重視の評価、学んだことをいかに定着させているかの学びから、確かな知識・技能習得だけでなく思考力・表現力・判断力など社会で役立てていく力の育成にまで踏み込んだ内容。
習得した知識や技能をどのように生かして活用をしていくか、他者と協力して問題解決をしたり何を理解して何ができるかが求められる方針に変革されます。
これに伴い、先行的に2018年度版の講座から通信教育を中心に新学習指導要領に準じたカリキュラムや方針に改訂されています。
これからの時代のこれからの学びをすることができるタブレット教材になっています。
家庭でタブレット学習をはじめよう
タブレット教材はこれから家庭学習の主流になってくることが見込まれます。
これから先学校でもタブレット端末の導入が進むことで、授業だけでなく宿題もタブレット端末を利用することも考えられるので、情報リテラシー教育も含めて積極的にタブレット教材を家庭で導入してみましょう。
多角的なアプローチ、個々の理解度・実力に合わせた学び、最適な学習動線や理解ができる仕組みなどメリットは多様にあるので、特長を理解したうえで有効的にその機能やシステムを学びに生かしていけるといいですね。
これからさらにデジタル化が進んでいきますが、特に学生のうちは保護者がしっかりとタブレット端末などインターネットの利用を監視・指導していくことも求められてきます。
幅広い世代でインターネット利用率も増加傾向にあり、2018年2月に内閣府が発表した調査結果によると、インターネットを平日1日に5時間以上利用する割合が小学生⇒5.1%、中学生⇒11.6%、高校生⇒26.1%と長時間利用による身体的・情操的な懸念もありますので、家庭でしっかりと指導・注意をしていきたい部分です。
インターネットや機器端末などの利用を含めて家庭でタブレット教材の導入について一度考えてみてください。